
最近、私はある「テイスティングの作法」を生活に取り入れています。それは、ただ食べるのではない、自分の感性と、ショコラに込められた美意識との対話です。
本日、ここ京都からお届けするのは、国際的な舞台で最高峰の栄誉に輝いた二つの至高のショコラ。一方は、研ぎ澄まされた「静寂の美」を極め、もう一方は、心に響く「華麗なる動の美」を体現しています。
今回は、この金賞と銀賞の二重奏を、静かに香る国産いちじくティーとともに味わい尽くし、その奥深くに宿る「和の感性」と「美意識の哲学」を深掘りします。
あなたの「京の感性」に響くのは、どちらのショコラでしょうか。大人のショコラテイスティング作法を、ともに深めてまいりませんか?

多様なショコラの楽しみ方がある中で、本記事では、一歩踏み込んで京の感性が息づく大人のテイスティング作法を探ります。さあ、あなたにとっての『王者の風格』をまとう一粒に出会いましょう。
王者の風格と静かなる美意識ー「静」のショコラ

1研ぎ澄まされた静寂のテイスティング
このショコラと対峙する時、私は背筋を伸ばし、京都の庭園のような静寂の中に身を置きます。口に含む前の、深い、土のような香りの感覚。
それは、王者が持つ揺るぎない貫禄を感じさせます。
一切の妥協を許さない、静謐な質感。それはまるで、長年の修練によって磨き上げられた工芸品のようです。このショコラの美意識は、自己の内面に深く潜り、静かに極められた「侘び寂び」のよう。
決して派手さはないが、一度触れると忘れられない深遠な世界がそこにあります。
舌の上でそっと溶かしていくと、重厚で濃密なカカオの深みが、時間差で波のように押し寄せます。それは、ただ苦いのではなく、木樽のような熟成感と、僅かながら東洋のスパイスを思わせる複雑な香りを含んでいます。
食べ終わった後も、長く、静かに、しかしながらずっしりと残る余韻は、まさに静謐なる美の境地。
このショコラは、
静寂なひとときの中で、精神を研ぎ澄ませたい夜にこそふさわしい逸品です。
喜びと華やかさの表現者 — 「動」のショコラ

1歓喜の爆発と芸術性
「静」のショコラが侘び寂びを体現するならば、こちらは人生の喜びと、華やかなる芸術性を表現しています。口に含んだ瞬間に広がる、まるでオーケストラの演奏のように、多層的で色彩豊かなフレーバが一気に花開きます。
これは、素材の持ち味を大胆に引き出し、力強く、積極的にメッセージを伝える美意識です。
舌の上で感じる微かなざらざらとしたテクスチャーは、このショコラが持つ生命力、そして人間の情熱を表しているかのようです。
これは、カカオの生命力と力強さを残すという、作り手の積極的な意図の表れ。なめらかさの追求よりも、カカオの真の存在感を際立たせるという、大胆な哲学が込められています。
それは、京の祇園祭や山鉾の懸装品のような、「動」の美そのものです。
このショコラは、
喜びを分かち合いたい時や、感性を目覚めさせ、気持ちを華やかにリフレッシュしたい午後に最適です。
いちじくティーが結ぶ<静>と<動>の境界線
1テイスティングの境界線を曖昧にする「和の感覚」
今回のテイスティングでは、あえて「和のしつらえ」として、穏やかな香りの国産いちじくティーを合わせました。
このお茶が持つ、強く主張しない静謐な甘みとほのかな土の香りは、金賞ショコラ(NO.4)の「静謐なる美の境地」を深く受け止め、その奥ゆかしさを一層引き出します。
一方で、銀賞ショコラ(KAMILI)の「歓喜の爆発」のような華やかさに対しても、いちじくティーの穏やかさが奔放さを優しく包み込むことで、そのフレーバーをより複雑で、奥行きのあるものへと昇華させました。
「静」と「動」という対極にあるショコラが、国産いちじくティーという「和の境界線」によって、互いの美意識を邪魔することなく、見事に調和したのです。それは、古都の茶の湯の心にも通じる、相手の美点を引き出す「おもてなしの作法」そのものでした。
この作法こそが、大人が知っておきたい「京の感性」と、ショコラとの「対話の哲学」です。
テイスティングを支える「京のしつらえ」

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テイスティングの作法を支えたのは、穏やかな香りを運んでくれた、このお茶でした。
今回、ショコラとの対話に用いたのは、国産の「蔵王美麗 香るいちじく茶」です。
穏やかで上品な香りが、金賞ショコラの静寂をより深め、銀賞ショコラの華やかさを複雑なものにしてくれました。
【店舗情報】<静>の美学が体験できる場所
1研ぎ澄まされたショコラに出会うために
このショコラの美意識と哲学は、実際に店舗を訪れることで、より深く感じることができます。
今回テイスティングしたショコラは、「Green Bean to Bar Chocolate」のものです。カカオ豆の選定から製造まですべてを一貫して行う、彼らの静謐なまでの情熱が、この作品を生み出しました。
その研ぎ澄まされた空間デザインは、まさに京の感性に通じるものです。本店は都内にありますが、京都・新風館にも店舗があり、古都の洗練された空間でショコラと対峙することができます。
【店舗情報】
店名
Green Bean to Bar Chocolate 京都新風館店
所在地
京都府京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2 新風館1F
アクセス
京都市営地下鉄 烏丸御池駅 直結
電話
075-741-7602
営業時間
11:00~20:00
定休日
なし(新風乾に準ずる)
【まとめ】大人のテイスティング作法で、和の美意識に出会う
本記事では、一見対極にあるgreen bean to barのショコラを、国産いちじく茶という「和の境界線」で調和させるテイスティング作法をご紹介しました。
古都の茶の湯の心に通じるこの「おもてなしの作法」は、私たちが持つ和の美意識を再発見するきっかけとなります。ぜひ、貴方だけのお気に入りの九谷焼や粉引きの器を使い、優雅な時間をお過ごしください。

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